新しいツールを導入するとき、最初は誰しもワクワクする。
「これで効率爆上がりだ!」という感覚は、中毒性がある。
しかし、その高揚感が冷めたあとに残るのは——ツールに自分を合わせる作業のしんどさだ。
私はかつて、Notionを導入したことがある。
最初は「なんでもできる!」と感動した。ページも自由、データベースもリンクも自在。
けれど、記事を書くたびに感じる。ブロック構造の編集が微妙に重い。
シンプルに書きたいのに、Notionの形式に寄せる時間が増えていく。
そして気づいた——これはもう「最適化ゾンビ」になっている。
最適化ゾンビ:本来の目的を見失い、ツールを回すこと自体が目的化してしまった状態。
最適化ゾンビ化の症状
- ツールの機能を全部使おうとしてしまう
- 自分の作業がツールの設計思想に縛られる
- 「作業する時間」より「ツールを整える時間」が長くなる
- 他の選択肢を検討しなくなる
脱・最適化ゾンビの運用方針
私は結局、こういう形に落ち着いた。
- VS Code … 書く・編集するのはここだけ
- GitHub privateレポジトリ … バージョン管理とバックアップ
- md / csv … どのAIや環境にも渡せる汎用フォーマット
- Git LFS … 画像管理が必要なときだけ使う
- 他人との共有はほぼ不要。自分だけがわかればいい設計。
この運用の強みは、どんなサービスが終わっても動くこと。
クラウドサービス依存を減らし、ローカルに持ち、必要なときだけ外に出す。
最適化は目的ではない
技術の歴史を見れば、「これはもう最適化の最終形だ」と思われた仕組みが、数年で時代遅れになる例は無数にある。
だから私は、ツールに惚れ込みすぎない。
運用はシンプルに。交換可能に。
「いつでも引っ越せる家」に住む感覚で、技術を使っていきたい。
最適化は素敵だ。けれど、最適化ゾンビにはなりたくない。
ツールは使い捨てても、作業の本質は捨てない——それが、私の運用哲学だ。